安良里潜水サービスオリジナル『ベントスセミナー』とは?
同じ伊豆半島でありながら、東伊豆と黄金崎とでは全く海底の様子が違います。
それは黒潮からの副流に乗って南方系生物が運ばれ、単なる死滅回遊魚では無く、しっかりと定着している種が多く見られるからでしょう。ゴロタ石場に沢山のヨスジフエダイやベンガルフエダイの幼魚が居ますが、砂の中のベントスの仲間達も同じ様に南方系の種が確認されています。
ベントスの人気が少ないのは、地味で小さいとか、見た目が悪くてインスタ映えしないとか、お金にならないとか、食う気にならないとか、色々です。しかし、黄金崎のマダイのダイちゃんは違います。私達の姿を見るや否や、すぐに寄って来て興味深そうに手元を覗き込んできます。
ゴロタ石場だろうが、砂場だろうが、付いて離れません。そしてダイバーが砂を手で払い除け、ゴカイの類いを見つけて写真を撮る瞬間を狙って、一気にパクリ‼︎と腹に収めます。実は人気あるんです、ベントス。
要は、黄金崎の生物層を支えているのはベントスだし、ベントスといっても環形動物から貝類、甲殻類、棘皮動物、刺胞動物、扁平動物その他諸々が居る訳で、それぞれ未記載種が多く含まれています。だから、新種発見!なんて可能性も高いのです。
ベントスなんて小さいとか言う方もいるようですが、2m位のサナダヒモムシだって居ます。砂場は一見ガランとして見えますが、タコノマクラやスカシカシパンに付く貝だって居るし、砂を掘れば見た事のない綺麗なシャコもいます。足跡を辿ると巻貝に出会えます。これらをみつけるには、ちょっとした気付きと情報が必要ですが、それをセミナーで身に付けて貰いたいです。
カワハギやコロダイが砂場で突いているのは何か?
砂から出ている筒は誰の家か?
ニョロニョロ出てくるウ○コは?
ああ、もう知りたい事だらけ!多分、黄金崎の魚達も同じでしょう。ベントス研究のために 浅海域に研究者が実際に潜って調査することが極端に少ないのが現状です。それが日本の生物学や分類学の損失になっているのかも・・・。